企業が商品やサービスを考えるときに一番意識することは、お客様の需要があるかどうかです。「自社が売りたいものを売るのではなく、お客様が欲しいもの、役に立つものを売る。」がベースにあります。お客様の声を聞いたそのままの意見、例えば悩み事・困りごと・欲望などはストレートにわかりやすく、すぐに解決するためのサービスや商品化へと行動することができます。
しかし、お客様に満足してもらいつつ他社と差別化し、企業として発展させるためには、お客様の表にでてきていない奥深くの要望まで汲み取る必要があります。
「顕在ニーズ」と「潜在ニーズ」とは
マーケティング用語に「顕在ニーズ」と「潜在ニーズ」があります。お客様にはこの2つの気持ちがありますが、実は声にして表に出てくるのは「顕在ニーズ」で、言葉の奥に隠されている、しかもお客様自身も無自覚であるものが「潜在ニーズ」となります。
他者から言われてみて、「言われるまで考えたことなかったけど、それそれ!」となったことありませんか?
自分では無意識だとしても、心の奥深くで顕在ニーズにつながる原点があるわけです。それが「潜在ニーズ」です。商品開発やサービスを考えるうえで、顕在ニーズばかり捉えがちですが、実はお客様の潜在ニーズを引き出すことがカギとなるわけです。
潜在ニーズを引き出すためにウォンツとの違いを知る
ニーズと一緒によく取り上げられる用語にウォンツがあります。ニーズは「need=必要とする」、ウォンツは「want=欲しい、欲求」。
まずはお客様が欲しいと思うウォンツをダイレクトに聞いてみます。それから質問を繰り返すことで顕在ニーズが見えてきます。さらに深堀をして聞くことで、潜在ニーズを引き出すことにつながります。
その情報を得るために、インタビュー、アンケートなどでお客様の声がとても参考になります。例えば、「東京で友達とランチを食べたい」というウォンツがあるとします。
ウォンツ・・・「東京で友達とランチを食べたい」
顕在ニーズ・・・「友達が喜ぶお店を知りたい」「美味しいものを食べたい」
潜在ニーズ・・・「個室があるかな」「待ち時間は長いかな」
となります。
顕在ニーズはすぐに検索をするような内容だったり、ランチを食べたい欲求に対してすぐに思い浮かぶことがでてきます。そしてさらに深堀することで、「そうそう!友達とゆっくりおしゃべりしたかった。だから個室がいいよね。待ち時間が長くならないように予約もできるかな」ということが見えてきます。それが潜在ニーズになります。
お客様の満足を得るために潜在ニーズをキャッチしよう
潜在ニーズはお客様自身も意識していないため、ただ聞くだけでは声としてでてきません。いくら質問をしても聞き出せないことも多くあります。人間の脳はほとんどが潜在意識で占められており、要望がかなえられることで幸福感、満足感を得ることができます。
先ほどのランチの例でもあったように、会社側がお客様の潜在ニーズを考えることで、「美味しいもの」だけで終わりにせず、「個室あり」「ランチ予約OK」と提示することができるわけです。
お客様にとって本当の願望を満たしてあげられるように、潜在ニーズをぜひ考えてみてください。