企業にとってデータは重要なものであり、データの管理についてバックアップを心掛けています。しかし、バックアップはデータだけではなく人的にも必要不可欠です。
頼れる人がいるから、技術力が高い人がいるから、専門分野があるから・・・など、ある部署や個人に任せっきりで、他の人はわからないなんていうことはありませんか。いつもの日常が当たり前ではなく、人的バックアップについても後回しにせず、日ごろから体制を考えているでしょうか。
属人化とは
属人化という聞きなれない言葉がありますが、「担当している一人の社員しか特定の業務をできない、わからない状態になっていること」を言います。業務が属人化してしまうと、担当者が不在の時、誰も対応ができずに業務がストップしたり、相手に迷惑をかけてしまうことになります。
属人化によるリスク
担当業務に専門で行っている人がいることによって、業務上はとても助かる部分が多いものですが、人間はロボットではありません。病気にもなりますし、プライベートの都合で休まなければいけない状況も起こりえます。また、属人化することで長時間労働につながってしまう、代行できる人がいない、仕事が辞めにくい、引継ぎが困難、従業員による不正、品質のレベルアップにつながらない・・・など、会社にとってもリスクがあります。
属人化ではなくチームで体制づくりを
限られた人材の中で同じ業務を専門的に行う人もいますが、属人化ではなく、チームで体制を整えることが必要です。
情報共有をする、2人以上でのフォロー体制、マニュアル化することで、突然の休職や退職にも対応ができ、顧客相手にも迷惑をかけなくてすみます。1人の負担も減り、チーム全体のスキルアップにもつながるため、長期的に考えると人的バックアップは大切な仕組み作りです。
属人化に頼らない上司でいること
新しい部署ができた、専門スキルがどうしても必要なこともあります。まだ仕組みづくりができていない状態で素人が集まっても軸がなく、作業や対応が不安定になってしまうため、どうしても一時期的に属人化ができてしまうこともあります。
しかし、新しいことを覚えたり教えたりする時間を考えると、つい属人化に頼ってしまいがちです。
上司としては、部下が何でもやってくれる、専門的にやってくれると助かるかもしれません。しかし、それは上司が無能であるほど、会社としてのリスクが大きくなってしまいます。
従業員にしかわからない状態ではなく、上司としてもスキルを身に着け、把握・対応ができることなど、属人化にならないようにしなければなりません。
複数人で作業を継続していくためには、社員教育、業務フロー、スキルアップ、情報共有などコミュニケーションも必要であり、築き上げるまでにも時間がかかりますが、長期的に考えて体制づくりを見直してみるとよいかもしれません。