様々な業界でペーパーレス化・デジタル化と言われていますが、実際の業務で紙による作業は減っているでしょうか?
SDGsや脱炭素社会を目標に各企業が取り組みを行っている中で、ペーパーレス化は取り組みやすく、メリットが多くあります。時代とともに多くの会社が進めているペーパーレス化ですが、デメリットの部分もあるため、紙作業からの切り替えが難しい部分もまだまだあります。
ペーパーレス化が進まない課題とは何でしょうか。
今までのやり方が根強く残っている
業務でパソコンを使用するようになり、メールやデジタル文書の扱いに慣れてきたという人は多くなりました。しかし、数十年にわたり紙作業で運営をしてきた会社にとって、書類や文書の量は多く、急に業務の流れを変えることも簡単にはいきません。
過去の膨大な書類のデータ化、今後のデジタル化導入の流れなど、経営者が紙ベースで業務を行ってきた場合には「変化」に抵抗感や不安を抱くことがあります。
どこかで「変化」をしなければならないとわかっていても、どの部分をデジタルに切り替えるか、業務の流れをどのように変えるのか、具体的な計画や準備が必要となり、ますます現状維持という選択になってしまうこともあります。
セキュリティ管理ができない
紙での保管もセキュリティに関しては難しいものがあります。それは書類をデータ化しても同じことで、セキュリティ上の懸念も大きな要因となります。特に個人情報や機密情報が多く扱われる業界では、デジタルデータのセキュリティが重要視されています。
専門チームを置くか、外部に委託をしなければデジタル管理は難しいものです。ハッキングやデータ漏洩の脅威に対する不安から、なかなか紙からデジタルへの切り替えを踏み切れないという現状があります。
社員への周知、教育などデジタル書類の扱いには、個人の意識改革も必要なため、作業だけできればよいというものでもありません。
新しいツールの導入やペーパーレス化のための準備
ペーパーレス化にはコストや時間もかかります。新しいシステムの導入や運用、社員トレーニングなど資金が必要であること、スケジュールの制約が影響することも多く、思うように進みにくいという課題があります。
すべての紙がペーパーレス化にできるわけではない
業務内容によっては、契約書などペーパーレス化にできないものもあります。書類によって作成や保管が異なるため、扱いが煩雑になり、管理が複雑になることがあります。
現場が混乱しないように、書類が不明とならないように、電子化する・紙ベースのままをはっきり分け、保管方法も計画の段階からしっかりと明確にしておくことです。
ペーパーレス化は業務の効率化を大前提としているため、管理不十分で余計な手間が増えてしまっては意味がありませんね。
課題を克服していくことで未来のビジネス環境が変わる
いくつか課題を挙げましたが、ペーパーレス化はデジタル社会において当然の流れになってきています。
・紙の製造や印刷には多くの資源が必要であり、それが環境への負荷となっている
・デジタルツールの導入によって業務の効率がアップする
・多様な働き方に対応できる
・オフィスでの書類の保管場所が削減される
ペーパーレス化は会社全体の取り組みとして導入のタイミングや社員トレーニング、セキュリティ管理など計画も投資も容易ではありませんが、長い将来を考えると必要不可欠なことかもしれません。
近年では小売店での決済方法の選択肢が広がり、導入について各企業が導入の選択に迫られています。ユーザーは多くの支払い選択を望み、小売店は手数料の問題やシステム導入の計画、予算に悩んでいます。
自社での課題を把握し、デジタル社会に適応する柔軟性と行動力が求められています。