障害者差別解消法の改正法により、行政機関だけでなく民間事業者でも「合理的配慮の提供」が義務化されることになりました。
簡単に言うと、障害者に対して「社会的障壁」を取り除くために適切な調整や配慮を行う努力が必要ということなのですが、Web制作にも関係しています。
Web制作では、ウェブアクセシビリティを向上させるためにするべきこととは、何でしょうか。
ウェブアクセシビリティとは
政府の広報によると「アクセシビリティ」という言葉は、Access(近づく、アクセスするの意味)とAbility(能力、できることの意味)からできています。
視覚や聴覚に障害がある人、高齢者、または一時的な障害を抱えている人々など、すべてのユーザーがウェブサイトを利用できるようにするための取り組みです。
アクセシビリティを向上させる具体的なこととは
ウェブアクセシビリティを向上させるとは、具体的にどのようなことでしょうか。
例えば視覚障害を持つ人が、テキストを音声で読み上げる機能を使う時、画像の説明は機械が勝手に解説するわけではありません。
Web制作者側が画像に適切な代替テキストを設定することで、どのような画像か音声で判断することができます。
また、
・マウスを使わずににキーボードだけでWebサイトを操作できるようにする
・動画や音声コンテンツには字幕などを用いて情報を補完する
・コントラストを十分に保つ
など、聴覚障害、視覚障害、色覚障害がある人たちだけでなく、病気やけがの人、寝た状態の人など、全てのユーザーがスムーズにWebコンテンツから情報を入手したり、サービスを使用できるように制作をすることでアクセシビリティが向上します。
企業の社会的責任の一環となる
ウェブアクセシビリティは単なる技術的な対応だけではありません。
Web制作において様々な視点から考慮することで、全てのユーザーがWebサイトを操作し、サービスを得ることができます。
結果として、より多くのユーザーに支持され、結果的にビジネスの成功にもつながっていきます。
他にも多くの規格基準があり、ガイドラインもあります。大手企業のホームページでは「ウェブアクセシビリティ方針」というページを作成し、取り組みに対しての試験結果を公開しています。
合理的配慮とは障害のある人が生活や社会において不利にならないように、個々のニーズに応じて環境や条件を調整することです。
車椅子を使用する人のためにスロープを設置することが例として挙げられますが、Web制作においても、様々な事情の人が使用するという配慮を心がけて制作していくことが企業としての責任でもあります。