ビジネスを始めると、「人と違うことをしたい」「自分らしさで勝負したい」と思う場面が多くありませんか。
その気持ちはとても前向きで、行動のエンジンにもなります。ただ、個性を追いかけるあまり、かえって伝わりにくくなるケースも少なくありません。
たとえば、お店を開くのに看板も出さず、営業時間も書かず、「自由なスタイルです」と言われても、お客さんは困ってしまいますよね。
個性を出したい気持ちは大事なのですが、まずは基本があるからこそ、その先の個性が活きてきます。
基本の型は自由を奪うものではなく、迷いを減らす土台
「型」と聞くと、なんとなく窮屈なイメージを持つかもしれません。
特にクリエイティブな仕事ほど、「型にはまりたくない」と感じることもあります。
でも、実際のところ型は自由を奪う鎖ではなく、迷わず前に進むために必要なことなのです。
例えば、家を建てるとき、基礎を作らずに壁の色だけ決める人はいません。どこに柱を立てるかという基本があるから、安心して内装にこだわることができるという例えがわかりやすいでしょうか。
ビジネスも同じで、長年の経験から生まれた「伝わりやすい流れ」や「やっておくと安心な手順」があります。
これらは個性を消すためではなく、余計な迷いを減らし、本当に大事な部分に集中するための土台となっています。
見えない部分だからこそ、しっかりとした土台が必要となるわけです。
型がないと、せっかくの想いが迷子になる
Web制作の現場でも、型を無視して進めると途中で迷子になることがあります。
「何を一番伝えたいと思っていたのだろう」 「次に何を説明すればいいのだろう」
作り手が迷っていると、ユーザーも迷います。
情報はたくさんあるのに印象に残らない、どこをクリックすればいいか分からない。そんなサイトは、デザインよりも“情報の流れ”が崩れていることが原因です。
これはWebに限らず、プレゼン資料や営業トークでも同じ。型を無視して自分の言いたいことだけを並べても、相手には届きません。
多くのビジネスが同じ流れを使う理由
世の中の多くのWebサイトやプレゼン資料が似た構成になっているのには理由があります。
それは、人が情報を理解し、納得し、行動するまでの心理的なステップに沿っているからです。
・これは何の話なのか
・誰のためのものなのか
・なぜ必要なのか
・どんな強みがあるのか
・実際の声や実績
・最後にどう行動すればいいのか
この流れは、相手が知りたい順番に沿っています。だからこそ、安心して読み進めることができ、受け入れやすい構成になっています。
個性は“形”ではなく“中身”で出す
型を使うと個性が消えると思われがちですが、実際はその逆です。
型という器があるからこそ、中身で個性が自然とにじみます。
同じ構成のプレゼンでも、選ぶ言葉や事例、写真の雰囲気でその人らしさはしっかり出ます。
Webサイトも同じで、文章のトーンや写真の空気感、紹介するストーリーなど、細かな部分にオリジナリティが宿るということです。
大事なのは「伝わる形」を先に整えること。その上で色をつけていくと、無理なく個性が光ります。
型はチームの共通言語にもなる
型があるメリットは、制作や発信の場面だけではなく、チームで仕事をするときにも役立ちます。
「この流れで書いてください」 「この順番で説明してください」
こうした共通の基準があると、教える側も教わる側もスムーズです。
品質のばらつきも減り、無駄な迷いもなくなります。型はチームの生産性を上げる“共通言語”にもなるということですね。
型を知ることは、最短で個性にたどり着く方法
「個性を出したいから型を学ばない」という考え方は、実は一番の遠回りになっていることを知っておくこと。
まず型を知り、使いこなすことで、初めて自由にアレンジできるようになります。
ビジネスは自己表現だけの場ではなく、相手に価値を届ける場です。だからこそ、伝わる型を味方につけることが、自分らしさを最大限に活かす近道になるということを忘れないようにしてください。
迷子になってしまったら、一度、初心に戻ってほしいと思います。
基本があるから個性が死なずに生きる。このシンプルな考え方は、Web制作だけでなく、資料作成や日々のコミュニケーションにも役立ちます。