就職活動で学生たちが「ガクチカ」という言葉をよく使っています。「ガクチカ」とは、「学生時代に力を入れたこと」の略語で、就職活動の面接やエントリーシートで、企業が学生にほぼ必ずと言っていいほど聞く質問のひとつとなっています。
企業は学生にガクチカを聞く理由は何でしょうか。
ガクチカが求められる理由
就職活動の面接でよく聞かれる「学生時代に力を入れたこと(ガクチカ)」。なぜ企業はこれを聞くのでしょうか?
理由は簡単で、「その人がどんな考え方や行動をする人なのか」を知りたいからです。
過去の取り組みや活動の中で「なぜその選択をし、どう向き合ったか」が重視されます。企業は、そこでの行動パターンや思考から「この人は仕事にどう取り組むか」「職場でどんな価値を発揮するか」を見極めようとしています。
企業がガクチカから読み取ろうとしていること
社会人になると、うまくいかないことや、答えがすぐに見えないこともたくさんあります。そうした中で、自分なりに考えて行動できるか、周りと協力できるか、乗り越える力があるか。
部活動、アルバイト、ゼミ、趣味、地域活動…ガクチカの内容は人それぞれですが、企業が本当に見ているのは、その取り組みにどれだけ真剣に向き合い、どんな姿勢で行動したかという“プロセス”です。
成功や華やかな業績ではなく、失敗や苦手なことからどのように考えて改善しようと努力したか、行動したかというエピソードから「人となり」を見ようとしています。
自分を理解しているか?が評価のポイント
就職活動の準備をしている学生はガクチカを考えるのに結構苦労しているようです。普段は考えずに生活をしてきた学生も自己分析をする機会にもなりますが、なかなか自分のことはわかりにくいものです。
「自分の強みや弱みをどうとらえているか」「何を大切にして行動しているか」を、自分の言葉で語れているか。
それは、今後社会に出て、多様な人と仕事をしていくうえでとても重要な力です。
大切なのは、飾らない「等身大の経験」を、自分の言葉で誠実に伝えることですね。
会社によって異なる「ガクチカ」の見方
実は、企業のタイプによってガクチカの評価ポイントには違いがあります。
「社員を大事にする会社」では、その人の価値観や人柄を丁寧に見ようとします。取り組みに対する姿勢や、悩みながら成長したエピソードなど、“等身大の人間性”が重視されます。
一方、「大量採用の会社」では、面接の限られた時間で評価するため、成果の大きさや論理的な説明力など、再現性やわかりやすさが求められます。リーダー経験や目に見える数字、役割などがあると評価されやすい傾向にあります。
ガクチカは、企業にとって学生を知るための1つの材料です。
学生にとって自分自身を振り返り、社会人としての土台を確認する大切なステップとなるため、真剣に向き合って就活に臨む必要があります。
良い出会いにつながるように、学生時代に経験したことを活かしてほしいと思います。