ビジネススキルには、プレゼン力、対話、マナー、専門技術、リーダーシップ、ライティング・・・様々な種類があります。その中でもロジカルシンキング(論理的思考力)は成果を出すためにも新人から経営層まで必ず必要なスキルと言われていますが、具体的にはどのようなスキルなのでしょうか。
ロジカルシンキングとは?
ロジカルシンキングとは、論理的思考とも呼ばれます。物事や問題を分解して整理し、論理的なつながりをとらえて様々な視点から分析を行い、結論を導き出す思考法です。
新人研修でも自分で考えて行動するためのプログラムとして用いる企業もあります。情報を整理する力、結論を導き出す力、相手に伝える力・・・一言で言えば簡単に聞こえますが、日ごろから疑問を持ち、客観的な視点で自問自答しながら分析し、矛盾なく結論を出すなどの訓練が必要です。
ロジカルシンキングの代表的な考え方
ロジカルシンキングで代表的な考え方である3つをあげてみます。
演繹法
「AだからBである」
を積み上げていく考え方です。古代ギリシャの哲学者であるアリストテレスの3段論法と同じように、誰もが知っている大前提、一般論からスタートし、結論付ける方法です。
大前提・・・2で割りきれる数は偶数である
小前提・・・10は2で割り切れる
結論・・・10は偶数である
一般論・・・勉強をしないと成績は上がらない
観察・・・友人はテスト前でも遊んで勉強をしない
結論・・・友人はテストで失敗する
問題点としては、前提が間違っていたり、結論までの過程が長くなってしまうとまとまった説明ができず、話が飛躍してしまうこともあります。
帰納法
多くの共通点から結論を導き出す考え方です。
△商品Aの性質は〇〇である。
△商品Bの性質も〇〇である。
△商品Cの性質も〇〇である。
・・・
よって、△商品には〇〇の性質があるようだ。
問題点としては、多くの統計データがないと説得力にかけてしまったり、無理やりの結論になってしまうこともあります。しかし、マーケティングにおいて傾向やパターンを理解し、相手に納得させる手段として用いることができます。
弁証法
世の中にはAしかない。みんなAしかしらない。そこへBというものが登場する。AとBから次なるCを生み出そうとする考え方です。例えば、対立している意見、どちらにもそれぞれある欠点から解決法を想像し、新しいものを生み出すという考え方が弁証法です。
ロジカルシンキングのメリット・デメリット
ロジカルシンキングのデメリット、弱い部分もあります。演繹法の大前提がない場合、帰納法の統計データがない場合などは論理の組み立てができず、結論に結びつきません。
また、自分の前提だけで話を進めてしまったり、アウトプットが上手にできない場合は、相手の理解を得られません。相手は人ですので、コミュニケーション、伝達力もロジカルシンキングにおいて必要です。
上記の3種類はほんの一例であり、ビジネスにおいてロジカルシンキングを身につけることでメリットがあります。
・コミュニケーション能力が高まる
・提案力、説得力が身につく
・視野が広がる
・色々な角度から物事を見ることができる
これらを実践しようとすると、やはりビジネススキルと言われるだけあり、難しいことです。まずはロジカルシンキングのノウハウを知り、日々の業務の中で、自分なりにどんなテーマでも疑問を持ち、考える癖をつけることで考え方やアイディアが広がっていきます。