仕事をしていると、「今日もなんとなくバタバタしたまま終わってしまった」という日が続くことがあります。
メールの返信、急な対応、会議の準備……気づけば一日が終わっていて、本当にやりたかった仕事が後回しになっている。
そんな経験を何度も繰り返しているとわかっていても、目の前の仕事を優先しがちですよね。
情報が増え、スピードが求められる今の時代は、ただがむしゃらに動いていても追いつかないことがあります。
むしろ、立ち止まって「整理する時間」を作ることのほうが、結果的に仕事が早く進むことも多いということになかなか気が付かないことも。
そこで今回ご紹介したいのが、「マトリクス」という整理の方法です。
名前だけ聞くと少しとっつきにくい印象があるかもしれませんが、やることはとてもシンプル。特別な専門知識も必要ありません。
マトリクスって、そもそも何?
マトリクスとは、物事を「2つの軸」で整理する方法のことです。
たとえば、紙の真ん中に十字を書いてみてください。横軸に「重要かどうか」、縦軸に「緊急かどうか」を設定すると、それだけで4つのエリアができあがります。
あとは、自分のタスクをそれぞれのエリアに書き込んでいくだけです。
「重要で、かつ急ぎ」のものは今すぐやるべきことで、「重要だけど急ぎではない」ものは計画的に時間を確保して取り組むべきこと。
反対に、「急ぎだけど重要ではない」ものは誰かに任せたり、短時間で片付けたりと、対応を変えることができます。
こうして見てみると、同じ「やること」でも、優先順位や向き合い方がまったく違ってくるのがわかります。
頭の中でなんとなく考えていたことが、書き出すだけでクリアになっていく感覚は、使った人なら共感してもらえると思います。
「見える化」がもたらす安心感
マトリクスの一番の強みは、思考を「見える化」できることにあります。
頭の中だけで考えていると、どうしても直近の出来事や気になっていることに引っ張られてしまいます。
「これ、急いで返さなきゃ」と思ったメールへの対応に時間を使いすぎてしまい、本来集中すべき仕事が後回しになる、というのはよくあるパターンです。
一度書き出してマトリクスに整理してみると、「あ、これって実はそんなに急がなくてもよかったんだ」とか、「こっちのほうがずっと大事な仕事だったのに、後回しにしてたな」という気づきが生まれやすくなります。
また、チームで仕事をする場面でも効果的です。
言葉だけで「これを優先したい」と伝えるよりも、図で示したほうが認識のズレが起きにくく、話し合いもスムーズに進みます。
会議のホワイトボードにサッと書くだけでも、その場の議論が整理されることがあります。
打ち合わせの現場でも、こんなふうに使えます
私たちのような打ち合わせの現場でも、マトリクスはいろいろな場面で活躍しています。
たとえば、日々のタスク管理。クライアントからの急ぎの修正依頼、新しい提案の準備、改善作業、社内の打ち合わせ……やることが重なってくると、何から手をつければいいか迷ってしまうことがあります。
そんなときに「重要度×緊急度」のマトリクスで整理すると、今日やるべきことと、今週中に対応すればいいことが自然と見えてきます。
また、クライアントへの提案場面でも活用しています。
「この施策は効果が高いか」「実装にどれくらい手間がかかるか」という2つの軸で施策を整理すると、何から取り組むべきかが一目でわかります。
「なぜこれを優先するのか」をクライアントに説明する際も、図があるほうがずっと伝わりやすく、納得していただく近道にもなります。
縦軸と横軸に何を置くかは、場面によって自由に変えることができ、「コストと効果」の組み合わせでも、「リスクとリターン」の組み合わせでも、状況に合わせてアレンジできるのもマトリクスの便利なところです。
難しく考えなくて大丈夫
ビジネスの世界には、整理や分析のためのフレームワークがたくさんあります。
ただ、覚えることが多かったり、使いこなすまでに時間がかかったりして、「結局、使わなくなってしまった」という経験をお持ちの方もいるのではないでしょうか。
マトリクスが続けやすい理由は、シンプルだから。難しいルールもなく、専用のツールも不要で、紙とペンがあればすぐに始められます。忙しいときこそ、さっと使えるシンプルさがありがたいです。
最初は「完璧に分類しなければ」と思わず、なんとなく書き出してみて、頭の中がすっきりする感覚がわかると、ちょっとした時間に整理する習慣にもなっていきます。
まず、一度やってみてください
整理することに時間をかける方がもったいないのでは?
情報が多く、判断のスピードが求められる今の時代に、立ち止まって整理する時間を作ることは、逆に時間がもったいないのでは?と思うかもしれません。
遠回りに感じてしまいがちですよね。むしろ、それが仕事を前に進める一番の近道になることが多いという体験をしてみると、見え方が変わってくると思います。
「なんかうまく回っていないな」と感じたとき、紙に十字を書いて、自分のタスクを書き出してみてください。それだけで、次の一手が見えてくることがあります。
複雑なことを、シンプルに整理する。マトリクスは、その第一歩として気軽に使えるツールです。
ぜひ一度、試してみてください。