企業の存続、発展の力となるものには「人」「モノ」「金」「情報」の3つがよく挙げられますが、「人」を育てる人材育成には長期的な計画と学習の仕組みが必要です。その中でも人材育成で注目されているリフレクションとは、具体的にどのようなことなのでしょうか。
リフレクションとは内省?
「反省」という言葉はよく聞きますが、「内省」と言われてもすぐにピンときません。自分がしてしまったミスを振り返ったり、間違いを認識して改めることを「反省」、それに対して自分の考えや行動などを深くかえりみることを「内省」といいます。仕事においては、自分自身の仕事に対する態度や考え方、計画や行動を客観的に振り返り、自分自身を見つめなおすこと。仕事をする上で反省することはもちろん大事なことですが、内省により、改善点を見つけ出し、今後の業務に役立てていくことも人材育成において必要です。
そして、この内省がリフレクションと言われ、企業でも多く取り入れらるようになっています。
人材育成での「リフレクション」は何をするべき?
人材育成でリフレクションを意識する場合、悪かった点や間違った点に注目する反省ではなく、主観や感情を入れずに客観的な視野で振り返ることがポイントとなります。
感情的にならず客観的に振り返ることで新たな気づがを得られ、これからどう動くべきかという前向きな改善へとつなげることができます。ネガティブな感情で反省ばかりするのとは異なり、自己肯定感を持ちながらポジティブに行動していくことで、社員に自信がつき、会社全体としても成長が期待できます。
リーダーシップを持つ人材に育てる
リフレクションを取り入れることにより、主体性を持って仕事に取り組むことができる、生産性がアップするという社員個人のメリットがあるだけでなく、リーダーシップを持つ人材を育てるという点において、企業にもメリットがあります。
仕事にはトラブルや問題がつきものであり、感情的に動いてしまったり、部下の失態を責めてしまったり、社員が自己嫌悪に陥ってしまうとチームが動かなくなります。そこでリーダー育成につながるリフレクション教育を行うことで、問題解決に対して客観的に取り組み、経験を振り返り、改善点を見つけていく力がつくため、技術面だけでなく人としてのスキルアップが期待できます。
学生時代によく「テストの振り返りを」と言われていたかもしれません。「親に怒られる・・・」「順位が下がってしまった」と点数だけにとらわれ、悪かった教科に対してだけを反省として注目しがちですが、リフレクションは良かった点も振り返ります。悪かった原因を探り、良かった点、改善すべき点も客観的に捉えて次につなげていくことで、さらなる経験値がアップするわけです。
仕事でも同じように、成功と失敗を繰り返します。各社員がリフレクションを取り入れることで、メンタルで落ち込み過ぎることなく、仕事に対するモチベーションも変わってきます。
社員の人材教育の一環としてリフレクションを取り入れてみてはいかがでしょうか。