ここ数年、若手社員への接し方に悩む職場が増えているようです。自分たちが上司に教えてもらってきたことが部下には理解してもらえず、意思疎通が難しいという話はよく聞きます。
よく〇〇世代と分類され、時代の変化とともに職場の人間関係も変わってきました。就職採用面接でも、面接官の態度が悪い、パワハラの質問だったと、就活生が会社に見切りをつけたり、新入社員が上司に対して自分の意見をはっきり言い、自分の予定を優先するなど、ちょっと上の世代には考えられなかったようなことも起きています。
パワハラ扱いを恐れての行動
テレビ、SNS、ラジオでも取り上げられていた「お菓子配り族」「お菓子外交」をご存じでしょうか。中堅社員が若手社員のご機嫌をとるために、お菓子を配ったという話で話題になりました。中には感謝やねぎらいの気持ちでお菓子を渡している人もいますが、ご機嫌取りのために配布している場合もあるようです。
若手がすぐやめてしまい、人材を確保するためにも若手社員を大事にしなければいけないという社内の風潮だったり、パワハラ認定されてしまわないかとヒヤヒヤしながらの対応が理由でもあり、若手に対して、腫れ物に触るような接し方をしているという問題が増加しています。
「叱る人」が少なくなった
子育てにおいても、「褒めて育てる」「叱ると子供が委縮してしまう」「注意するやり方では子供のやる気が育たない」など、周囲から叱られる人が減ったと言われています。一昔前では近所の大人たちが叱ることもあった時代ですが、今では他人の子どもを叱るとSNSにあげられ、悪人扱いにされかねません。
学校の先生たちでさえ、「叱る」ことに対して大きく変わってきています。若手社員の中にも客先から叱られたことに対してショックを受け、会社を休んだり、退職してしまったり。こうなると上の立場としてどのように指導してよいのか難しいというのもよくわかります。
若手社員が育たたない会社は未来がない
企業側は各部署の人間関係がどうのようになっているのか把握しているでしょうか。
人材確保のために若手社員に気を遣うような指示をだしているなんていうことはないでしょうか。
すぐSNSで広められてしまう時代ではありますが、若手社員への気遣いばかりに夢中になってしまったり、フォローの仕方を間違えていると、いずれ企業にとっても大きな損失になってしまいます。
もちろん、パワハラのような圧力で会社を統率できるわけではありませんが、過剰な気遣いで若手社員を持ち上げても会社に未来はありません。
社員の不満が悪循環に
社員全員が若手社員に過剰な気遣いをしているわけではなく、一部の人の対応かもしれません。しかし、周囲の社員たちはその機嫌取りの行動に疑問を持ち、さらに誰も注意しない環境が続けば不満がでるという予測はつきます。
上司として事を荒げたくない、自分にもとばっちりがくる、今が円満ならそれでよい・・・など、若手社員の言動や過剰な気遣いを改善しなければ、他の社員のモチベーションも下がり、チームでの仕事も成り立ちません。
しっかり会社として社員研修を行い、社員それぞれの個性を見極めながら対応していかなければなりません。
職場では人間関係によって生産性が大きく影響されてしまうため、トラブル対応に困っている場合は専門家に依頼することも1つの対策です。
個性もあり、仕事に対する熱量も様々ですが、やるべきことはきちんとやる姿勢を社員教育に取り入れていく必要があるかもしれません。