物質的な豊かさだけではなく、精神的な豊かさが求められる時代になり、価値観が変わってきています。その中で「ウェルビーイング」という言葉が認知されてきていますが、日本国内だけのことではなく世界全体で注目されている言葉となっています。
ウェルビーイングの概念は医療・福祉だけでなく、企業、教育、国の取り組みとしても用いられ、個人の幸福から世界全体、社会全体として継続していくために今や注目するべきワードです。
ウェルビーイングは今後、私たちが生きていくうえで大切な考え方であり、それを前提とした社会を築いていく必要があります。
ウェルビーイングとは?
ウェルビーイングは「Well」と「Bing」が組み合わさった言葉で、「身体的・精神的・社会的に良好な状態であること、心身ともに満たされた状態」を表す概念です。
2021年5月に開催される予定だった世界経済フォーラムの年次総会(ダボス会議)で会長クラウス・シュワブ氏が「人々の幸福(ウェルビーイング)を中心とした経済に考え直すべきだ」と発言したことでウェルビーイングという概念が広がったきっかけとみられています。
そして日本でも、政府の方針にウェルビーイングの文言を盛り込んだことにより、各企業が関心を持ち始め、注目を集め認知されるようになりました。
人生100年時代を豊かに過ごすために
人生100年時代と言われていますが、人生の多くは仕事と関わっています。豊かな人生を送るために、「健康」と「働くこと」は切り離せません。
しかし、仕事によって健康を害することになってしまったり、健康の問題を抱えているために働くことができなかったり、SDGsで掲げられているように様々な問題が多くあるのが現状です。
しかし自分自身の幸福を考え、自分がやりたいことをやる、人生を豊かにする人が周囲にいる、エネルギーがある、住みやすい環境など、豊かに過ごすため、人生の幸福度を高められるような新しい考え方が多く取り入られるようになってきています。
ウェルビーイングはまだまだ始まったばかり
企業で働く従業員の人生を豊かにすることは、会社にとってもよい影響をもたらし、生産性の向上が期待できます。ウェルビーイング経営を取り入れている企業も実際、増えています。
しかし、カタカナ用語や新しい言葉に飛びついているだけで、本質的な取り組みが行われていない場合もあります。一時的なものではなく、しっかりと個人の幸福と会社の利益のバランスを長期的に得ることができるものか、企業としても精査していかなくてはなりません。
大学では日本初のウェルビーイング学部ができること、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)では、構想段階の目標の一つに「世界中の人々がよりよく生きる(well-being)ための提案を集め、新たなモデルとして広く世界に発信」を掲げ、ウェルビーイングを意識した内容になっているなど、今後、さらに注目されていきます。
コロナ禍で時代が大きく変わり、不安定な時代でもありますが、「身体的・精神的・社会的に良好な状態であること、心身ともに満たされた状態」であるか?どうすればよいか?自分自身のウェルビーイングについて考えてみてはどうでしょうか。