わからないことを「わかりません」と言えていますか?「わからないならば正直に言えばよいこと」と頭でわかっていても、実際の場面で口に出せず悩む人が多くいます。
なぜ「わかりません」という言葉のハードルが高いのでしょうか。
わかっているつもりになっていた?
新しい仕事で教えてもらい、その時はなんとなく理解はしていたのに、後になってみるとわからない。そして後になって言いづらくなってしまい、「わかりません」という言葉がとても重くなってしまうケースがあります。申し訳ない、手間を取らせてしまうなど気持ちが次への行動へ移せなくなってしまいます。
しかし、仕事は作業を進めなければ何も始まりません。わからないことを調べる、調べてもわからなければ聞くという姿勢でいなければ時間ばかりが過ぎてしまいます。
周りの空気が言えない雰囲気?
周りのみんなはわかっているようなのに、自分だけわかっていないことが恥ずかしいという経験は学校などでよくあります。また、少人数であれば聞きやすいことでも、大人数の環境となると言いにくいものですよね。
また周囲も忙しい中、相手の作業を中断してしまうため、聞くことにためらいがでてしまうことがあります。
自分でも何がわからないのか説明ができない?
自分でも何がわからないかを説明できないため、漠然としすぎた質問をしてよいのか不安になってしまいます。「どこがわからない?」と聞かれても答えられないため、余計に黙り込んでしまうパターンです。
コミュニケーションが難しいかもしれませんが、相手に自分の状態を伝えるためにも、正直に自分の言葉で説明することで、相手も状況を把握し、さらなるアドバイスや別の手段を教えやすくなります。
自分のプライドが高い?
性格や育ってきた環境で、「わからない」という状態の自分が恥ずかしいという思いがある、「わからない=無知、不完全」という意識がある、理解できていない自分は評価されないかもしれないという不安が生じてしまう人もいます。
そうなると「わかりません」と言うよりも、自分で何とかしようと努力するかもしれません。自分で動く努力も必要ですが、自分勝手な行動を取ってしまったり、時間を割かないようにし、時にはプライドを捨てることが大事なこともあります。
相手の圧力がこわい?
教えてくれた人が威圧的な態度のため怖い、「わからない」と言ったことで「なんでわからないんだ?」怒られた、責められた経験があるなど雰囲気や環境によって「わかりません」と言えないケースもあります。
周囲の人がどう接しているのかを見ながら、どういう聞き方をすると良いのか、どのタイミングがよいのか、様子を探ることで参考になる部分もあります。
結局は放置することはできない
「わかりません」と言うと面倒なことになりそうなので、あえてその場では言わずに自分で何とかしてみようと思ったとしても、結局は放置することはできません。
「わからないものはわからない」と臆せずはっきり言える人もいれば、やはり色々なことを考えてしまって言えずにモヤモヤを抱える人もいます。
しかし、結局はどこかで「あなたがわかっていないこと」がバレてしまいます。聞かなければ先に進めない状況になってからでは遅いこともあります。「あの時、『わかった』と言いましたよね。」と嘘をついていたことで信頼関係が崩れてしまうこともあります。
「わかっていたふりをしていただけなのか」と思われてしまうことは、プライドどころか見下されてしまいます。
「わかりません」の言葉もコミュニケーションの1つです。言葉の発し方に気をつけて、素直になることが誰も傷つかない方法かもしれません。
曖昧である、まったくわかっていない、できることとできないことは何か、とりあえずやってみる・・・、自分の理解がどのような状況なのかを正直に説明することが、お互いにとって信頼関係につながります。
何も努力もせず、やりもせずに「できません、わかりません」という態度ではなく、ちょっと勇気を持って、丁寧に話をすることです。
わからないことは「わからない」と言える雰囲気作りも常日頃のコミュニケーションの中で作っていきたいですね。