会議は必ずしも和気あいあい、和やかな雰囲気ばかりではありません。ギスギスした雰囲気、口調が荒々しい発言、誰も意見を言わず静まり返った部屋、時間オーバーの苛立ち、人前での叱責・・・そんな会議を経験したことはありませんか。
良かれと思って意見を述べたとしても対立してけんか腰になってしまったり、頭ごなしに否定されて沈黙を選べば「なぜ意見を言わない」など、時間の無駄だけでなく、発展性のない会議にストレスを感じることがあるかもしれません。
そんな時に進行をスムーズにし、意見をまとめるような人材がいれば会議の雰囲気も大きく変わります。そのような役割をファシリテーターといい、会議だけでなくオンラインセミナー、ワークショップなどの場で活躍する人材が注目を集めています。
ファシリテーターの役割とは
ファシリテーターの役割は集いの場で参加者やグループに配慮しながら、全体の進行やサポートを行います。
・プロセスの管理
どこから始めて、どこまで結論を出すことが目的なのか、出発点と到達点を明確にする。
・コミュニケーションの促進
参加者同士のコミュニケーションを円滑に行うようサポートし、意見交換を促進する。
・参加者の立場や情報保有について把握
グループ内の立場、役職などの相互関係、誰がどれくらいの情報を保有しているのか、キーパーソンは誰か、どの程度共通認識があるのかなど、必要に応じて適切な介入を行い、良好な協力関係を促進する。
・問題解決の支援、雰囲気作り
発言がしにくい雰囲気の場合、例をあげてみる、発言を尊重する、発言した内容をまとめる、受け取り方に間違いがないか確認する、話が脱線していれば言葉を選びながら軌道修正していくなど、意見がでやすい環境づくりや参加者の知識やスキルを引き出す。
・時間の管理
大した議論もせずに時間が経過し、目的が達成できなかった・・・とならないように決めごとの優先順位を設定、議論の時間の調整、まとめの時間確保などゴールまでの時間を意識する必要がある。
ファシリテーターは高いスキルが求められる
ファシリテーターは全体だけでなく、個々を把握し、内容のまとめや発言の促進、タイムキーパーなど、多くの役割を担っています。
それに加えて、自分個人の意見を誇示しない、壁を作らない、控えめでいては機能しないなど、態度にも気を付けるべき点が多く、かなり高いスキルが必要となります。
ファシリテーションスキルを身につけることはとても難しいものです。
会議を円滑に進めて問題解決に向けて意見交換をするためにはファシリテーターの役割はとても重要であり、リーダーシップの強化にもなります。生産性を向上させるためにもファシリテーション研修など、講座やセミナーも利用し、ファシリテーターの人材スキルを上げる企業努力が必要かもしれません。