聞きながらメモを取るということは改めて考えると、難しいものだと感じます。学生時代に板書をした時にはまだノートに書き写す部分が多く余裕があったかもしれませんが、写すことに必死で先生が話した内容までは追加できなかったという経験はないでしょうか。
社会人になっていきなり「メモを取りなさい」と言われても、手が動かない、何を書いてよいかわからないという人がいます。メモを取ることが難しい理由とは何でしょうか。
聞きながらメモを取る難しさ
聞いたことを全部頭にインプットできるのであれば、その場でメモを取る必要がないかもしれません。
後で落ち着いて自分のペースでまとめ直すことができればよいのですが、記憶力、忙しさ、内容の量にもよります。
今の新入社員の中には、メモを取らずにボイスレコーダーやスマホに録音をして必要ならば後で聞くという話もあります。確かに使えるものを使うというのも、やり方の1つですね。
聞きながらメモを取る難しさはどこにあるのでしょうか。
聞いている情報からポイントを見つける、要約する
まず、聞いたことを一言一句書き留めるわけではなく、多くの情報の中からポイントを見つけること、要約することが難しいことの1つです。
雑談かと思いきや大事な話だったなど、聞いている側は瞬時に内容を理解し、書き留めている中で重要部分がわからなくなってしまいます。
集中力が続かない
長時間の会議では集中力が続かなくなり、書くことをあきらめたというケースも。
1対1で対話している場合はもう一度聞きなおすことも可能ですが、会議中に話の内容がわからなくなってしまうと、メモに書くことができなくなります。
スピードの問題
話す速さに対して書く速度が追い付かず、メモを取り切れないことがあります。穴だらけのメモでは、後で読み返したとしても正確な情報を読み取ることができません。
知らない用語に引っかかってしまい、続く話が頭に入らないこともあります。
後で見返してもわからない
文章が難しいからと、話を聞きながらイラストにしたり、図を描くことは難しいものです。工夫することも大切ではありますが、相手がメモを取り終わるまで話し手は待っていてくれません。
また、用意したメモ帳が小さかったり、スペースが狭く乱雑した書き方は、混乱したメモになってしまいます。
「時」を逃さない
話し言葉をそのままメモにとるのではなく、話の中からキーワードやポイントをとらえることです。後で調べればわかるようなキーワードはとりあえず内容がわからなくてもメモをする、なんとなくの用語を書いておけば後で調べるヒントになるかもしれません。
その時を逃さず、何かしらメモをすることが重要となります。
話し手が重要な点について繰り返し話したり、日時や連絡事項などポイントがわかりやすい内容については、書き間違いのないように反射的にすぐ書くことをおすすめします。
見やすい形式を心がける
話し手がこれから何を言うのかわからない…となると、板書のようにタイトルや番号付けは難しいかもしれません。
しかし、メモはあくまでも後で見返すためのものなので、混乱したメモは解読不能になってしまう可能性があります。
ある程度、大まかなタイトルをつける、話の区切りをわかりやすくする、話した順番にメモ用紙を活用する、箇条書きにするなど書き方の工夫をすることで記憶にもとどまりやすくなります。
メモを取る習慣を心がけて練習する
すべての情報を書き写すことは難しく、メモとして余計な情報が多くなってしまいます。聞きながら書くという行為は、いきなりできるものではありません。
実際に手書きではなく、聞いたことを直接キーボード入力する方法もあります。
どちらにしても、自分の中で話の内容をまとめること、見やすさの工夫は普段からの練習によってコツをつかんでいきます。
メモを見返さないから無駄と考える人もいるかもしれませんが、自分の頭の中で整理することで、内容の理解、新しい疑問、気づき、アイディアの発展へとつながっていきます。
ボイスレコーダーはに関しては、会議で議事録のためだから許可する人もいれば、録音されることを嫌がる人もいます。
相手の許可なく録音することはマナー違反になります。トラブルを減らすためにも、事前に伝えること、許可を得ることを忘れないようにしましょう。