日々の仕事に追われ、同僚や上司からの頼まれごとに応じているうちに、自分の時間や気持ちが後回しになっていませんか。
「これもやらなきゃ」「あれも頼まれている」と、どんどん自分の負担が増えていく状況に陥っていくのに断れない・・・。
「自分は時間なので帰ります」とサラッと言える人もいますが、なかなか言えない人もいます。
そこで大切なのが「バウンダリー」という考え方。自分の限界を知り、無理をせずに周りと良好な関係を築くために、バウンダリーを意識してみませんか。
バウンダリーとは?
バウンダリーは、自分と他人との境界線を意識することです。自分ができることとできないこと、そして自分の時間やエネルギーを守るためのルールを設けることです。
仕事やプライベートで頼まれごとを受けるとき、自分の感情や体調を無視せ、「今は無理だな」「少し休みが必要だな」と感じたら、その気持ちを大切にして無理に引き受けないことが重要です。
ストレスや過労を防ぎ、心の余裕を保つためにも、自分のバウンダリーを把握して守ること。他者には人のバウンダリーはわかりません。
無理しない人間関係の作り方
無理しない人間関係を築くためには、まず自分の限界を知ることが大切です。
「これ以上はできない」と感じたときに、それを周囲に伝えることを恐れないことがポイント。
例えば、同僚から仕事を頼まれたとき、「今は他のタスクが立て込んでいるので手伝えない」と素直に伝えることで、相手も理解し別の対応を考えてくれます。
ここで無理をしてしまうと、結果的に迷惑をかけてしまうことにもなりかねません。双方が気持ちよく協力し合える関係を築くためにも、無理をせず、自分の限界を伝えること。
断ることが苦手な人は勇気がいるかもしれません。仕事以外の私生活での人間関係にも当てはまることは多いのではないでしょうか。
バウンダリーがもたらすメリット
バウンダリーを守ることで得られる最大のメリットは、心の余裕が生まれることです。
無理せずに自分のペースで仕事を進めることで、結果的に効率が上がり、ストレスが減るということも。
無理に応え続けていた時に感じていた不満や疲れを防ぐことができます。キャパシティーは人それぞれだということをお互いに認識したいものです。
わがままに受け取られないために
しかし「無理をしない」を貫き通すことばかりでは自分自身が成長しない、会社の利益が生まれない、他の人の作業量が増えるなど、バウンダリー主張の誤解が生まれやすい可能性もあります。
バウンダリーを守ることは、決してわがままなことではなく、自分の健康と心の余裕を守るために必要なことですが、人によってバウンダリーが異なるため、理解されにくいこともあります。
バウンダリーを守る際に「わがまま」と誤解されないようにするためには、いくつかのポイントに気をつけてみてください。
・感謝の気持ちを伝える
・「できません」とただ断るのではなく、代わりにできることを提案する、協力する姿勢をみせる
・丁寧に理由を説明する、あいまいな理由は誤解を生じることも
・相手の立場を考慮する
自分の限界を知り、無理をしすぎないことが大事ですが、自分ばかりの主張ではなく、相手への伝え方に気を付けることを意識し、コミュニケーションを取りながら線引きをしてみてください。