お問い合わせフォームや資料請求フォームなど、Webサイト上の入力画面はユーザーと企業をつなぐ大切な接点です。
ユーザーは興味を持ったからこそアクションを起こします。しかし、ちょっとした使いにくさや不親切な設計が原因で、最後の「送信」までたどり着かずに離脱されてしまうケースは少なくありません。
「ちょっと面倒かも」「入力ミスしちゃったから戻ろう」「あれ、全部消えてる…」こうした小さな不満が、ユーザーの気持ちを離してしまいます。
企業側が情報を得ようと、あれこれと入力項目を増やしたことが相手にとって負担であれば、その欲張りさは逆効果になってしまいます。
入力時間、ボリュームを予告する
入力フォームをつくるとき、まず大切なのは「時間の感覚を提示すること」です。
たとえば、「入力所要時間:2分程度」と最初に表示しておくことで、ユーザーは「これくらいならやってみようかな」と思えます。
反対に、項目が多く所要時間の目安もなく、どこまで続くのか分からないフォームは、不安や面倒さを生み、離脱の原因になってしまいます。
ユーザーの操作に寄り添う
次に意識したいのが「エラー時の対応」です。せっかく時間をかけて入力したのに「入力エラーがあります」とだけ表示され、どこが間違っているのかも分からない。
それでは、ユーザーのストレスは一気に高まってしまいます。エラー表示は、具体的、親切であることが大切です。
また、ページを戻った時に操作方法によっては入力内容がすべて消えてしまうこともあります。
情報を保持するような設定や「戻る」ボタンを押すようにわかりやすいフォローをするなど、様々な状況を想定しておく必要があります。
さらに、フォーム設計には「余計な負担をかけない工夫」も求められます。たとえば、電話番号や住所入力の際、全角や半角、ハイフンの有無などに厳しいルールを設けるのではなく、システム側で柔軟に対応する、または記入例を明記するなど、迷いを減らす配慮があると有難いですよね。
郵便番号から自動で住所を補完する機能も、地味ですが非常に喜ばれる要素です。
フォーム画面が欲張り画面になっていませんか?
そして意外と見落とされがちなのが、フォーム周辺の「視覚的なノイズ」です。
広告バナーや別ページへのリンクが多いと、ユーザーの集中力が途切れ、場合によっては別のリンクをクリックして戻ってこないこともあります。
フォーム画面は極力シンプルであること、迷いなく「送信ボタン」へ進める導線をつくることが望まれます。
対面の接客なら自然にできている気遣いが、オンラインでは設計や言葉に置き換わります。
入力フォームの中でできるちょっとしたサポートの工夫と、誠実さが求められるのです。対面ではないからこそ、ユーザーへのつながりも大事にしたいものですね。