「得をする」と聞いてもピンとこないけれど、「損をする」と聞いた瞬間に心がザワつく…そんな経験、ありませんか?
人の心理には「損失回避バイアス」と呼ばれる傾向があります。これは、私たちが「利益を得ること」よりも「損を避けること」に強く反応するという性質です。
この心理はWebマーケティングやサイト設計においても、取り入れることができるため、反応率を高めたい場合に少し考えてみてほしいと思います。
「おトクです」より「損したくない」が効く理由
例えば「今なら20%オフ!」と伝えるよりも、「今日中に申し込まないと割引が終わってしまいます」と伝えた方が、より強く印象に残ることはないでしょうか?
「今決めないと損かもしれない」と思わせる表現は、ユーザーの行動を自然に後押しする力を持っています。これこそが「損失回避バイアス」が働いている状態です。
この心理をうまく活用するには、Webサイト上に「見逃すと損をするかもしれない」というサインをさりげなく配置することが効果的です。
ただし、過度な煽りや大げさな表現は逆効果。不信感を持たれてしまっては本末転倒です。
あくまで、信頼感を保ちつつ、自然に「気になる」「行動したくなる」ような導線設計を意識しましょう。
少しの工夫で行動を後押しする
この心理は、大々的なキャンペーンページに限らず、ちょっとした文言の工夫でも活かすことができます。
例えば、お問い合わせフォームの最後の画面で「あと30秒で完了です。このまま閉じるとサポートが遅れるかもしれません」といったひとことを添えるだけで、離脱を防げるケースがあります。
このような一言が「面倒くさいな…」と離脱しそうな気持ちを、「せっかくだから最後までやっておこう」という気持ちに変える可能性があります。
ユーザーの行動につなげるためには、「ここでやめたら損かも?」という小さな気づきを与えることがきっかけになります。
「見えない損」を見せてあげよう
人は「目に見える損」だけでなく、「知らないうちに損をしていること」にも強く反応します。
「今なら無料でもらえる情報が、明日からは有料になります」「他の人はこの特典を使っていますが、あなたはまだ利用していません」など、「見えない損失=取り逃している価値」に気づかせることで、ユーザーは「自分だけ損しているかも」と感じ、自然と関心を持ちやすくなる傾向があります。
また、「残り3名で締切」「今このページを10人が見ています」といった数字を視覚的に見せる方法も効果的です。
「ちょっともったいないかも」が行動のきっかけに
「今のままだと、少し損をしているかもしれない」・・・そんな小さな違和感が、ユーザーの心に働きかけ、「まずは見てみようかな」「試してみようかな」といった一歩を後押ししてくれます。
すべてのページやコンテンツを「損得」で構成するのではなく、特に「行動を促したい」「申し込みや購入につなげたい」ページで取り入れてみてください。
部分的にテストをしてみることで反応率に変化が出てくるかもしれません。