行き当たりばったりの行動をしてしまった結果、信頼を失ってしまったという失敗経験はありませんか。
「なんとかなるだろう」と楽観的に考えていたり、準備不足で詰めが甘かったり、いざ本番になるとその甘さが思いがけず大きなミスや信用の低下につながってしまうことがあります。
クライアントへの提案資料を、十分な下調べをせずに見た目だけ仕上げていても、実際に打ち合わせとなると抜けが多くなってしまい、内容よりも表面だけ繕ってきたことが相手にもわかってしまいます。
ちょっと先のことを考え、想像することで段取りの手順が見えてきますが、逆に考えすぎてしまって行動に移せないというパターンもありますね。
自分のタイプはどちらでしょうか。
行動力だけでは、仕事は回らない
「とにかくやってみる」「まずは動いてみよう」そんなフレーズを耳にすることがよくあります。
確かに行動することは大切ですし、動かなくては何も始まりません。
しかし、準備不足のまま走り出すと、途中でつまずいたり、想定外のトラブルに振り回されたりして、かえって時間と労力をムダにしてしまうことも少なくありません。
見切り発車タイプの人は、行動力はあるものの、後先を考えずに動いてしまうというちょっと危なっかしい部分があります。
段取り力=「考えてから動く」力
仕事をスムーズに、そして質高く進めるために欠かせないのが「段取り力」です。
段取りとは、作業を始める前に、ゴールを明確にし、必要なステップや注意点を洗い出すこと。
あらかじめ流れをイメージできていれば、余計な迷いが減り、結果としてミスも防げます。
命に関わる現場では、とても重要なことですよね。
実際、医療の世界では「シミュレーション」や「手順確認」が徹底されています。
工事現場の作業でも、ケガ人を出さないように効率よく作業をすることにもなり、体力や安全の面でも必要不可欠なことです。
もちろん、私たちの日常の仕事は、そこまで切迫したものばかりではありませんが、「段取りを軽視すれば、思わぬミスやトラブルにつながる」という本質は、どんな仕事にも共通しています。
資料作成、会議の進行、顧客対応、イベント運営、料理の工程…。どんな場面でも、段取りひとつで結果は大きく変わっていくということは、毎日の業務でも実感しているかもしれません。
想像力がリスクを減らす
段取りを立てる際に大切なのが「想像力」。
「もし、こういうトラブルが起きたら?」「相手がこんな反応をしたら?」と少し先を想像しておくだけで、事前にリスクを減らす工夫ができます。
今の時代、情報収集することは簡単にできるため、想像力が働かない場合は下調べをするだけでも見えてくるものがあります。
段取りのための時間を取ることが、後々の時間節約にもつながっていくということを意識したいものです。
忙しいときこそ「立ち止まる」勇気を
仕事に追われていると、「今すぐ手を動かさなきゃ」と焦ってしまいがちです。
でも、ほんの数分でも「立ち止まって考える」時間を持つことで、その後の仕事が格段に効率的になります。
特に、複数人が関わる仕事や、初めて挑戦する業務ほど、段取りの差が結果に直結します。
限られた時間内に考えることが難しい場合もありますが、指示を出す立場の人は「まずは落ち着いて段取りを確認しよう」と声をかけてチームに「考える時間」をつくるという判断も必要かもしれません。
チーム作業であればメンバーとともに一度立ち止まり、再確認すること、個人の問題であれば、想像力を働かせて少し先を考えるために立ち止まること・・・
次に動くためには無駄な時間ではありません。
想像力がリスクを減らす
段取り力は、簡単に身につくものではありませんが、意識するだけで確実に変化が現れます。
「考えてから動く」このシンプルな習慣を、ぜひ今日から実践してみてください。ミスや無駄が減り、自分自身の安心感につながっていくのではないでしょうか。
ただ、考えすぎてしまって不安になってしまい、逆に動けなくなってしまうのであれば、下準備にもっと丁寧に時間を割いた方が良いのかもしれません。
次に進むため、丁寧な仕事をするための段取りを大事にしてほしいと思います。