「レジリエンス」という言葉を知っていますか?
子供も大人も日々、思うようにいかなかったり、努力が報われなかったり、失敗して落ち込んだり、挫折や困難に直面することがあります。そんな時、立ち直り、乗り越える力、再起できる回復力をレジリエンスと言います。
レジリエンスは行動や意識によって心が折れないように強化し、鍛えることが可能と言われ、ビジネスでも注目されています。
「レジリエンス」の意味
「レジリエンス」は英語で「resilience」のことで、もともと物理学で使われ、回復力、復元力、弾性力の意味があります。最近では心理学で使われるようになり、状況から立ち直る力、復活する力を意味しています。
「鋼のメンタル」とは異なり、「レジリエンス」はしなやかさを持った跳ね返りのイメージとされています。
現代社会で必要なレジリエンス
近年、大災害など社会全体で大きな困難がありました。復興を目指して再起してきたことは、高いレジリエンスがあったからこそだと言われています。
人間、生きていれば多くの壁にぶつかります。そこで、困難にぶつかった時、逆境から精神的に乗り越える力、回復する力を身につけることで、人生においても、ビジネスにおいても、自分自身の成長へとつなげることができます。
ビジネスにおいても、新人や若手が自信をなくしてしまった、リーダーになったことでプレッシャーや日々の業務が膨大になり、ストレスを抱え込んでしまった・・・など、多くの人が直面する問題があります。
学生であれば、定期試験、人間関係、部活など、問題やトラブルがあります。人によってはストレスの受け方はそれぞれですが、ここでレジリエンスが高いか、低いかで学校生活も変わってきます。
もともとポジティブ思考、逆境に強い、メンタルが強い、ピンチをチャンスに変えられる人はレジリエンスが高いため、物事を前向きに考えることができます。個人差はありますが、今の世の中で必要なことは「レジリエンスを高める」ということです。
レジリエンスを強化する
では、レジリエンスを強化するにはどうしたらよいでしょうか。
自分の思考の癖を把握する
客観的に自分の思考の癖を認識しているかどうかで受け止め方が大きく変わります。
例えば、「失敗してはいけないと思いがち」「曖昧な判断は嫌い(白黒はっきりさせたい)」「自分のせいにしてしまう、すぐに自己嫌悪」など、いつも自分自身を苦しめてしまっていることもあります。
人に意見を聞いたり、体験してきたことを活かして、自分自身がこの思考の癖を直し、はねのける力(レジリエンス)を高めることができるようになればよいのですが、なかなか自分自身だけではどうにもできないこともあります。
会社という組織であればリーダーやメンバーが失敗のフォローをしたり、意見交換したり、相談しやすい環境を作ること、また日常生活では周囲に頼ること、助けを求めることで改善されることもあります。
自尊感情を高める
自分には価値がある、長所・短所を含めてありのままの自分を受け入れるという感情が高い場合、他人との比較で卑屈になることなく、努力することができる傾向があります。
また、自分の強みを活かすこと、弱みを強みに変える力をつけることでレジリエンスも高まります。
自分の成長を感じる
育児にも言えますが、成功体験は大きな自信につながります。小さなことでも「できた」「できる」という体験は働く上でも重要です。
日々、膨大な仕事に追われ、1つ1つの成功体験を感じることは難しいこともありますが、少し立ち止まって振り返ってみてください。
1人で抱え込まず柔軟な考え方を
思考の癖を知っておきながら、改善しなければレジリエンスを高めることができません。
負の連鎖やストレスを抱えたままでは、自分自身の成長もできず、悲観的な人生になってしまいます。
自分自身を苦しめている思考を少し変えるだけで気持ちが楽になることもあります。1人で抱え込まないこと、周囲の声にも耳を傾け受け入れる心の柔軟性が必要です。
「きっと大丈夫」「チャレンジしてみよう」「相談してみよう」「もうちょっとだけ頑張ってみよう」と気持ちの回復をさせることで自信につなげていき、日々のストレスをはねのける力をつけていきましょう。