「理念とは何か?」と聞かれた時、あなたはどう答えるでしょうか。目標、方針、信念、想い・・・漠然とした感じですが、ビジネス用語では経営理念や企業理念という言葉があります。
企業には、経営理念、企業理念を掲げているところが多くあり、就職活動、他社との交流、契約、株主や投資家たちは注目するべき事柄です。
経営理念や企業理念とはどのようなものなのでしょうか。
理念とは
元々、「理念」は哲学用語として使われてきました。「物事の筋道。道理」を意味する「理」と「常に心の中を往来しているおもい」を意味する「念」。
あわせて、「常に心の奥にある、変わることのない想い(念)」となります。
これをビジネスの世界では、「物事に対して“理想“とする”概念“」、「こうあるべき」という指標を示しています。
理念を考えるメリット
企業の理念には「経営理念」や「企業理念」がありますが、理念を掲げるメリットは何でしょうか。
社外向けにはアピールになり、社内向けには明確な判断基準を示すことができます。
【社外】向けの理念
協力会社、顧客、株主、投資家に対しては、企業の信頼度を高め、社員採用に対しては仕事の意義、同じ志を共感できる人材を確保できます。
【社内】向けの理念
社員に組織に属している意識や、社会に貢献したいという意欲の向上、モチベーションアップにつながり、方針を統一することで一体感を生み出すことができます。
「経営理念」と「企業理念」
では、経営理念と企業理念はそれぞれどのような内容が特徴なのでしょうか。
「経営理念」は、経営者がこの方針、考え方でいきたいという経営者個人の考え方が大きくでているもので、経営者として大事にしたいことが明文化されています。そのため、経営者が変われば内容が大きく変わることがあります。
また、「企業理念」は創業者によって決められたことを会社として大事にする考えです。企業が存続している間は継続されるため、大きな変更はされにくいものです。
理念は心に響くものを
会社によっては、経営理念、企業理念を区別なく掲げ、基本理念としているところもあります。当たり前のようなメッセージでは共感できず、人材確保や顧客信頼につながりません。
自分が思い描いている会社を社外・社内にどのように表現するか、アピールするためにも「理念」をしっかりと考える必要があります。
他社の理念を参考にし、あいまいな表現になっていないか、ありきたりな内容ではないか、表現の工夫も考えてみてください。