会社を起業するときに「理念」を真剣に考え、志を持っていたものの、いつの間にか単なるスローガンになってしまってはいないでしょうか。
理念を掲げていても、それが形だけのものになってしまっている企業も少なくありません。
理念は会社の「ブレない軸」となるものであり、企業の成長には欠かせないものです。理念はただの飾りではなく、企業の意思決定や行動指針として、日々の業務に活かされてこそ意味を持つものです。
しかし、志と現実とのギャップに悩まされたり、経営が上手くいかずに判断を誤ってしまったり、社員に理念が浸透せず、理念から遠ざかってしまうこともあるかもしれません。
理念を企業の「ブレない軸」として機能させるためには、どのようにすればよいのでしょうか?
企業理念が「ブレない軸」になる理由
企業を取り巻く環境は、常に変化しています。市場のトレンド、消費者の価値観、競争の中で、時代の流れに適応しなければ、企業は成長できません。
しかし、どれだけ変化が求められる時代でも「何のために事業をしているのか」「どんな価値を提供するのか」という根本の軸がブレてしまっては、会社組織は迷走してしまいます。
一貫したブランド価値を維持し続け、想いを貫き、価格競争ではなく独自の価値を提供する企業は、創業時の理念を大切にして成功を収めているという実例もあります。
「自分たちが何者であるか」という軸を保つことは、変化のスピードが速い社会の中でこそ必要なことなのかもしれません。
理念が形だけになってしまう企業の問題点
一方で、企業理念が単なる形だけになってしまうケースも多いとも言われています。
「お客様第一」「社会貢献」「誠実な経営」など、どれも立派な理念ですが、実際の行動が伴っていなければ意味がありません。
たとえば「お客様第一」と掲げながらも、実際には利益優先のサービスを提供していれば、顧客はすぐに見抜きます。社員も経営陣の本音を察し、理念に共感ができなくなってしまいます。
結果として、組織内のモチベーションは低下し、ブランドへの信頼も損なわれてしまうということは明らかです。
理念を実践するためのポイント
企業経営の軸がブレてしまうのは、経営層が率先して理念に基づいて実践すること、お手本を行動で示すことの積み重ねという単純なことが出来ていないのかもしれません。
理念を単なるスローガンで終わらせず、組織の「ブレない軸」として機能させるためには、いくつかのポイントがあります。
1.経営層が理念を行動で示す
2.理念を日々の業務に落とし込む
3.理念を共有し、社員それぞれが主体的に考える
社員に教育として理念を押し付けるのではなく、働きの中で理念を共有していく仕組みづくりが大切です。
「ブレない軸」を持つ企業は強くなる
理念を本当に大切にする企業は、どんな状況でも揺るぎません。短期的な利益に走らず、本当に大切にするべき価値を守ることで、長期的な成長を実現できています。
逆に、理念がブレてしまう企業は、方針がコロコロ変わり、結果的にブランドの信頼を失い、組織の結束力も弱まってしまいます。
企業理念は単なる言葉ではなく、会社の未来を形づくる道しるべです。今一度、初心に振り返る時間を作ってみてはいかがでしょうか。