同じことをしていても、同じ場所にいても、同じものを買っても、人によって価値観は異なります。あるお店に友人と訪れた時、ワクワクする人もいれば、居心地が悪いと感じる人もいますし、同じ金額を支払う商品やサービスに対しても、「こんなに高いの?」「すごく満足!」「これが欲しかった!」「思ったほどではなかった」など、感情の表現も異なります。
モノやサービスがあふれている世の中において、人それぞれの価値にはどんなものがあるのでしょうか。モノを売る側として、商品だけにこだわっていればよいのでしょうか。
今、消費者の感情は経験価値によって生まれています。経験価値マーケティングについて考えてみると、販売戦略が広がるかもしれません。
経験価値マーケティングとは?
モノを売るということは、
・商品そのものに価値がある
・モノの機能や利便性、デザインを求める
ということ。
商品そのものが勝負できないようなモノは企業として販売できませんよね。しかし、商品そのものだけでなく、商品の購入、使用に関わるすべてのプロセスである感動、喜びなどの「経験価値」が注目されています。
具体的な経験価値マーケティングとは?
では、経験価値マーケティングとは具体的にどのようなことなのでしょうか。大きく分けて5種類の経験価値に分類されます。
1.感覚的経験価値(SENSE)
五感の刺激によってつくられる経験価値。香り高いコーヒー、店内の内装やBGMなど
2.情緒的経験価値(FEEL)
これまでになかったサービスの展開、楽しさ、好奇心などで得られる感情の経験価値。体験イベント、コラボ商品、音楽とのイメージ戦略など
3.認知的経験価値(THINK)
顧客の知性や創造性を刺激する経験価値。使ってみたいという高揚感。マニアックな専門店、顧客を満足させる仕掛けを工夫している動物園や水族館など
4.肉体的経験価値(ACT)
食生活や、ライフスタイル、行動の変化で得られる経験価値。スポーツジムの様々なプログラム、オーガニックショップなど
5.関係的経験価値(RELATE)
顧客が属したいとするグループ、同じサービスを共有するコミュニティの中で交流することによって共感する経験価値。アニメのイベントやショップ、車やバイクなどの展示会など
購買意欲だけでなく、経験による満足
1杯100円で飲めるコーヒーもあれば、1000円近いコーヒーもあります。駅前にある立ち飲みコーヒーショップもあれば、店内が都会を忘れるような空間スペースになっているところもあります。自宅で飲めるインスタントコーヒーもあれば、車で数十分もかけていくコーヒー専門店もあります。
どこに価値を求めるかは人それぞれです。コーヒーそのものの味わいにこだわるのか、居心地がよい雰囲気でひとときをゆっくりすごすための価値なのか、今やモノだけでなく、モノを取り囲むすべての関わりから価値を生み出すことができるんですね。
ユーザーの気持ちを動かすには、アイディア次第です。イベントの企画、ノベルティグッズ、ホームページでの集客などを利用して、ぜひ新しい経験価値を生み出してください。
弊社では様々なお手伝いをさせていただいております。お気軽にご相談ください。