企業理念は必要だとわかっていても、明確にしていない、まだ作成していない、しっくりこないなど、自信を持って公にできていない経営者もいるかと思います。
しかし、企業理念がはっきりしていない場合、会社の成長どころか、存続の危険にまで影響してしまう可能性があるくらい重要な要素です。「会社で掲げている理念はちょっとした目標の言葉なのに、大げさな・・・」という話ではなく、周囲は会社を見る目は厳しいもので企業理念が様々な判断材料に影響することもあるくらいです。
今や起業家が増え、会社も選ばれる時代の中で、「共感」を意識している人が多くなっています。働く場所というのは、給与面だけでなく、自分が毎日働き、人生の一部にもなる場所、時間です。一昔とは異なり、「共感」できない会社は選ばれにくくなっています。
「企業理念」は万人受けする言葉選びになっていませんか
企業理念は、企業の存在意義、価値観を示したものです。「何のために存在しているのか」「誰のため、何のために事業を行うのか」「どこに向かっていくのか」「自社の強み」などを文章にしたものです。
従業員の中にも、「自社の企業理念を答えることができない」という話はよく聞きますが、社外の人たちにもわかりやすいものでなければ伝わりません。「お客様の暮らしを豊かにするために」「地球にやさしい」など、立派なような文句でも、「結局、あなたの会社は何ができるの?」と具体的に伝わらず、方向性が曖昧では意味がありません。
また、創業者が理想を大きく掲げたことによって現実とのギャップが浮かび上がってしまい、共感できないということもあります。
企業理念は、ホームページや自社のカタログに掲載するためにあるものではなく、会社の軸として変わらずに必要な存在として重要なものです。
企業理念が曖昧だとどうなる?
企業理念はよく「木の根っこ」に例えられています。企業が長年続くためには、「木の根っこ」や「幹」は大事な部分であり、太くしっかりしたものでなければなりません。
そこから成長し、枝が増え、葉が茂るというように、長期的に経営していくために企業理念はとても必要なものです。
事業として、様々なサービスやアイディアを考えて生産・営業を行い、チャレンジしていくことで会社は成長していきますが、思い付きで動いてしまうと、何でも屋になってしまい、結局は「何の会社?」と自社の強みが薄れてしまいます。
面接で「その人のことを知る」ために自己紹介があるように、企業も自ら具体的に企業理念を示すことで熱意、信頼、将来性、安定感など、アピールすることができ、周囲も判断する材料としています。
企業理念が曖昧であり、飾りのために作ったような場合ならば、今一度見直してみるとよいかもしれません。迷ったら原点に戻る、原点を軸に手を伸ばしていく・・・自社の道しるべで迷わないためにも根っこを大事に考えてみてください。