最近、「社会に出るために必要な力」として「認知能力」と「非認知能力」という言葉が注目されています。
「社会に出る」と聞くと、つい「勉強ができる」「知識がある」ことが大事だと思いがちですが、実はそれだけでは十分とは言えない時代になってきています。
実際、子どもの教育現場でも「認知能力」と「非認知能力」についての考え方が広がっています。
具体的に言うと、「テストの点数だけではなく、粘り強さやコミュニケーション力も大事にしよう」というような学力とは別の力を身につけるという教育ですね。
そしてこれは、子どもだけの話だけではなく、大学生や、これから社会に出ていくタイミングの人たちこそ知っておきたい考え方でもあります。
では、その「見えにくい力」とは、具体的にどんなものなのでしょうか?
認知能力=「見える力」
「認知能力」は、簡単にいうと知識を覚えたり、考えたり、問題を解決する力のことです。
例えば、
・英単語を覚える
・数学の問題を解く
・文章を読んで意味を理解する
・論理的に物事を考える
こういったことはすべて、認知能力に含まれます。大学での勉強、資格試験、就職活動での筆記試験などは、この「見える力」を測る場面が多いですよね。
非認知能力=「見えにくいけど社会で効く力」
一方で、非認知能力は、数値では測りにくいけれど、実は仕事や人間関係、人生全体に大きく影響する力です。
具体的には、
・最後までやり抜く力
・失敗しても立ち直る力(レジリエンス)
・コミュニケーション力
・協調性や共感力
・自分を信じる気持ち
・新しいことに挑戦する姿勢
こうした力は、テストの点数では見えませんが、社会に出たとき、そして実際に働き始めてから、非常に重要になってきます。
なぜ今、非認知能力が注目されているのか?
AIや自動化が進む中、単純な知識や作業は、どんどん機械が担うようになっています。認知能力だけで差をつけるのが難しくなってきました。
だからこそ、
・人と協力して物事を進める力
・自分で考え、新しいアイデアを生み出す力
・困難な状況でも前向きに行動する力
こうした「見えにくい力=非認知能力」が、ますます重要視されてきています。
企業の採用面接でも、学歴や資格だけでなく「この人と一緒に働きたいか」「柔軟に物事に取り組めるか」「失敗しても立ち直れるか」といった部分が、かなり見られています。
認知能力と非認知能力、どちらも武器に!
大切なことは「認知能力か非認知能力、どちらが大事か」という二択ではなく、どちらもバランスよく伸ばすことです。
知識やスキルがあるだけでは通用しない場面がありますし、いくら人間的魅力があっても、最低限の知識や考える力がなければ、成果は出せません。
認知能力は、授業や資格試験を通して鍛えられますが、非認知能力は、実際の経験を通して育つ部分が大きいものです。
経験を重ねていくことが、社会に出たときの大きな強みになっていきます。
知識やスキル(認知能力)がなければ、やりたいことを形にするのは難しいです。
でも、知識だけでは、壁を乗り越えたり、人と良い関係を築いたりすることはできません。
社会で自分らしく活躍するためにも、認知能力と非認知能力の両方を意識してほしいと思います。