仕事をしていると、完璧にやりたい気持ちはあっても、ミスはつきものです。確認が甘くて怒られたり、準備を頑張ったのに結果が出なかったり、悩んだ末に遠回りしてしまったり。
「あのとき、ああしておけばよかった」と後悔しながら、経験を積んで成長していくものでもあります。
長く活躍している人は、失敗なんてしなさそうに見えますよね。でも人間ですから、何かしらやらかしているはずです。
そう思って見てみると、彼らは「絶対に失敗しない完璧な人」ではなく、失敗を次に進む力に変えるのがうまいと思いませんか。
むしろ失敗の数でいえば、人一倍多いかもしれません。昨日の正解が明日も通用するとは限らない時代、新しいことに挑戦するほど、うまくいかない場面にも出会います。
見方を変えれば、失敗しないことより、失敗から何を持ち帰れるかのほうが大事なのかもしれません。
若手のうちは、転ぶことをそこまで怖がらなくていい
入社したてのころは、「ミスしたらどうしよう」と緊張の連続ですよね。先輩に迷惑をかけたくないし、評価も下げたくない。できる人だと思われたい気持ちが先走りがちです。
その結果、今度は慎重になりすぎて、指示を待つだけの日が続いて動かずに目立たないようにしてみたり。
でも、一度も転ばずに仕事を覚えるのは、まず無理な話でもあります。
痛い目を見て初めて、「仕事ってこういう流れで回ってるのか」とか「次はここを先に確認しておこう」といった、教科書に載っていないコツが身につくものですからね。
もちろん、同じミスを何度も繰り返されると、周りも迷惑なので、努力は必要です。それでも、一回の失敗で「自分はダメだ」と沈み込むより、「なんで起きたんだろう」「次はどうすれば防げるかな」と気持ちを切り替えて、成長のバネにする発想も大事です。
失敗は、自分の弱点を教えてくれるヒントでもあり、ちょっと転びながら進むほうが、結局は早い成長につながるチャンスかもしれません。
リーダーになると、失敗との付き合い方が変わってくる
部下を持つと、自分のミスだけでなくメンバーの失敗とも向き合うことになります。自分の力だけではどうにもならないこともありますよね。
原因をはっきりさせることは大切ですが、犯人探しばかりしていると、現場の空気はどんどん重くなり、閉鎖的な雰囲気になっていきます。
怒られるのが怖くてミスを隠す人が出てきたり、新しい挑戦に手を挙げる人が減ったりして、会社全体の成長も止まってしまいます。
そんなときは、「次はどうしたらうまくいくと思う?」「今回は何が勉強になった?」と聞いてみるのがおすすめです。
これだけで、部下は怒られた恐怖ではなく、自分の頭で次を考え始めて、次につなげるきっかけになります。
もうひとつ効くのが、リーダー自身の失敗談。「実は昔、こんな大やらかしをしてね」と笑いながら話すと、張りつめていた空気がふっとゆるむことはありませんか。
失敗を責めるチームより、みんなで経験値に変えていくチームのほうが、変化にも強いんですよね。
社長にとっての失敗は、次の一手につなぐバトン
会社の舵を取る立場になると、教科書どおりの正解はないものです。新しい事業を始める、人を採用する、大きなお金を投じる。
どれも答えが見えないまま、未来を信じて決めるしかない場面ばかり。どれだけ準備しても、想定外のトラブルや時代の流れで、思いどおりにならないこともあります。
そこで「もう終わりだ」と諦めるか、「貴重なデータが手に入った」と受け止めるか。この差で、会社の先行きは大きく変わります。
ピンチに強い社長は、「ダメだった」で終わらせません。
なぜ届かなかったのか、この経験で会社に残った強みは何か、次はどう動くか。そうやって分析して、すぐ次の挑戦につなげていけるかどうか。そこで差が出ます。
失敗を完全に避けるルートは、そもそもありません。だったら、転んだ勢いを次のジャンプに使えるかどうかが、会社を伸ばす力になるのだと思うと、ポジティブに動きやすくなりませんか。
失敗はゴールじゃなくて、次のスタートライン
立場が変わっても、失敗はついて回ります。若手にとっては成長のきっかけで、リーダーにとってはあたたかいチームを作るヒント。社長にとっては、次の大きな挑戦のきっかけにもなります。
ただ、失敗そのものに価値があるわけではなく、むしろ負の要素なので、少ないにこしたことはありません。
大事なのは、そこから何を学んで、どう動いたかということです。
気分が沈む日もありますが、「失敗を無駄にしない!」という気持ちで経験を積んでいく姿勢が、自分を強くしてくれるのだと思います。
一度も転ばない人ではなく、転んでもただでは起き上がらない人。前より少し強い一歩を踏み出せる粘り強さが、自分の道を作っていくと信じて、一歩ずつ進んでいきたいですね。